AirTagは、Appleデバイスがつくる「探す」ネットワークで位置を追跡できる忘れ物トラッカー(スマートタグ)。
世界中の
さらに、そのほかの機能やスペックも優れており、非常に総合力の高いスマートタグとなっています。
正直、iPhoneユーザーであればスマートタグはAirTag一択と言えるレベルです。
この記事ではそのAirTagについて、
こんな人でもバッチリ魅力が理解できるように、以下の疑問について詳しく紹介していきます。
- AirTagとは?機能や仕組みはどうなってる?
- AirTagのBluetooth接続距離や電池などのスペックは?
- TileやMAMORIOなどの他社のスマートタグと比較してどちらを買うべき?
- AirTagの評判は?デメリットはある?
20種類以上のスマートタグを実際に購入し、使用してきた筆者が他の製品との違いも解説するので、AirTagの購入を考えている人はぜひチェックしてみてください。
AirTagとは
AirTagとは、Appleから発売されたiOSユーザー用の忘れ物トラッカーです。
いわゆるスマートタグや紛失防止タグと呼ばれるデバイスで、スマートフォンと接続して、GPSなどで紛失物を探すサポートをしてくれます。(GPS機能はスマホ本体のものを利用しており、AirTag本体にはGPSが搭載されていないため注意)
様々なスマートタグの中でも、AirTagが突出して優れている点は紛失時の検知能力。
Apple製のデバイスが形成する「探す」ネットワークに参加できるため、誰かのiPhoneやiPadがAirTagに近づくだけで位置情報を取得することが出来ます。
もしこんなことがあっても、AirTagを入れておけば財布を見つける手がかりをつかむことが出来ます。
Airtagで出来ること
AirTagには「探す」ネットワークによる検知の他に、あらゆるシーンでもちものを発見するための機能が搭載されています。ここではその機能について、それぞれ詳しくチェックしていきます。
AirTagで出来ること
- マップ上にAirtagに表示(「探す」ネットワークで位置情報を更新)
- 置き忘れ通知
- 「紛失モード」でAirTagを見つけてくれた人にメッセージを表示
- 近くのものは「音を鳴らす」機能と「正確な場所を見つける」機能で見つけられる
- ストーカー行為などの悪用対策の機能も搭載
マップ上でAirTagの位置を確認できる(「探す」ネットワークで位置情報を更新)
AirTag がiPhoneと接続されている場合や、Apple製のデバイスが形成する「探す」ネットワークで検知されている場合は、「探す」アプリのマップ上に位置と検知した時間が表示されます。
出典:探す(Apple)
そんなときにもすぐに場所を確認することが出来て安心です。
「探す」ネットワークの仕組み
探すネットワークによってAirTagの位置が検知できる仕組みについては以下ように記載されています。
AirTagは、近くにある「探す」ネットワーク上のデバイスが検知できるように、安全なBluetooth信号を送信します。すると、信号を受け取ったデバイスは、AirTagの位置情報をiCloudに送信。あなたは「探す」アプリを開いてマップ上で確認できるというわけです。このプロセスは完全に匿名で行われ、情報は暗号化されるので、あなたのプライバシーは守られたまま。効率も良いので、バッテリー残量やデータ使用量を心配する必要はありません。
引用:Apple(日本)
検知の際に
- AirTagの情報が漏洩
- AirTagの信号を受けとるデバイスのバッテリー残量とデータ使用量
の二つに関しての配慮がされているとのことで、安心して使用できます。
「紛失モード」でAirTagを見つけてくれた人にメッセージを表示
AirTagが「探す」ネットワークに検知されていない場合は、「紛失モード」をオンにすると次のようなことが出来るようになります。
紛失モードで出来ること
- 「探す」ネットワーク上でAirTagが見つかったらときに通知を受けとる
- AirTagを見つけてくれた人にメッセージを伝える
メッセージを確認する方法はスマートフォンをそのAirTagにかざすだけ。
スマートフォンが反応して、登録しておいた電話番号orメールアドレスと連絡してほしいというメッセージが表示されます。
なお、かざすスマートフォンはNFC(Apple PayやモバイルSuicaでの決済に用いられる技術)搭載のものであればiPhone以外でも可。より多くの人がAirtagを探すサポートをしてくれるようになります。
手元から離れたときに通知が届く
AirTagが手元から離れたときに通知を届ける機能が搭載されています。
この機能によってもちものをどこかに置き忘れたり、落としてしまうことによる紛失を防ぐこと出来ます。
位置情報を指定した場所にAirTagが置かれている場合は通知をオフにすることが可能。自宅や職場を指定しておけば、そこにAirTagを置いて離れた際に通知が来ることはありません。誤通知を少なくして快適に使用できる嬉しい仕様となっています。
置き忘れ通知が届くまでにAirTagから離れた距離を計測したところ200~300m程度。
この距離の調整は出来ないのが少し残念な点。
スマートタグではMAMORIOシリーズは調整可能なため、置き忘れ通知機能を重視する人はそちらもチェックしてみてください。
近くのものは「音を鳴らす」機能と「正確な場所を見つける」機能で見つけられる
そんなときにもAirTagは「音を鳴らす」機能と「正確な場所を見つける」機能ですぐに見つけることが出来ます。
「音を鳴らす」機能はAirTagがスマホとBluetooth接続しているときに使用できる機能で、最大で90dB程度の音(防犯ブザーやスマホのアラームと同じくらい)をTileから鳴らすことが出来ます。
AirTagとスマホのBluetooth接続距離はおよそ50m(筆者が実際にウォーキングメジャーで測定)。家の中はもちろん、小さい公園くらいの範囲であれば、なくしたものを見つけるのに役立ちます。
さらに「正確な場所を見つける」機能では、AirTagまでの距離と進む方向を表示することが出来ます。
出典:探す(Apple)
探し物が違うフロアにあるときも、「この持ち物は別の階にある可能性があります」と表示されるのが親切です。
出典:探す(Apple)
この機能はスマホをAirTagの距離が約10m以内の場合に有効。
「音を鳴らす」機能より有効距離は短いですが、より正確に場所を特定出来ます。騒がしい場所や図書館などの音を鳴らしづらい場所などでも使用しやすいため使い勝手がいいです。
なお「正確な場所を見つける」機能は超広帯域テクノロジーに対応したiPhoneでのみ使える機能。
iPhone SEは対応していないため注意です。
超広帯域テクノロジーに対応したiPhone
iPhone 11、iPhone 12、iPhone 13、iPhone 14 の各モデル
※iPhone SEには非対応
ストーカー行為などの悪用を防ぐ機能も搭載
AirTagにはストーカー行為などの悪用を防止するために、持ち主から離れたAirTagが近くにあるときに気づけるような機能が搭載されています。
AirTagの悪用防止機能
- 見知らぬAirTagが近くにあり、自分がiPhoneなどのApple製デバイスを持っている場合 は通知が届く
- 持ち主から離れてしばらく経ったAirTagから音が鳴る
iPhoneなどのApple製デバイスに通知が来た場合は自分で使用する際と同様に「音を鳴らす」、「正確場所を見つける」機能によって場所の特定が可能。
AirTagから音が鳴り始めるのは持ち主から離れて8~24時間経過した場合です。
これらによって見つけたAirTagに心当たりがない場合は電池を抜き取ることで無効化され、持ち主に位置情報が届かなくなります。
AirTagの外観
続いてはAirTagの外観についてチェックしていきます。
AirTagのサイズ | |
直径 | 31.9 mm |
厚さ | 8.0 mm |
重さ | 11 g |
Apple製品らしい余計なものを削ぎ落としたデザイン
AirTagのデザインはApple製品らしい余計なものを削ぎ落したシンプルなもの。
ホワイトの樹脂にAppleのロゴが描かれたステンレスカバーが取り付けられています。
ステンレスのカバーは押し込みながら反時計回りにまわすと外すことが出来ます。
中にはボタン電池(CR2032)が入っていて取り外すことが出来ます。
500円玉よりも少し大きいサイズ感
AirTagの直径は31.9mm。500円玉が26.5mmなので、それより少し大きいくらいです。
厚さは8.0mmで、これも500円玉に例えると4枚分程度。厚みは少しあるため、財布などに入れると膨らんだり、形が崩れることがあるため注意が必要です。
専用ケースで好きな場所に取り付け可能
ストラップホールなどはないため、鍵などに取り付けたい場合は専用のケースが必要です。
ケースは100円均一で販売しているものから、Hermèsなどのハイブランドのものまで多種多様。カードタイプや防水性能に優れたものもあり、価格やもちものにあったデザインのものを選ぶことが出来ます。
Appleストアからの購入で刻印が無料
apple.com、Apple Store Appで購入すると、無料でイニシャルや絵文字を刻印することが出来ます。(文字数は4文字まで)
自分だけのオリジナルのデザインにして楽しんだり、鍵や財布、バッグなどたくさんのAirTagを使用する場合は刻印で区別することも出来ます。
AirTagのスペック
次にAirTagの電池や防水性などのスペックについてチェックしていきます。
仕様一覧 | |
対応機種、OS | Apple ID iOS 14.5以降を搭載したiPhoneおよびiPod touchのモデル iPadOS 14.5以降を搭載したiPadのモデル |
接続距離 | 50m程度(実測、正確にみつける機能は10 m) |
電池寿命 | 約1年 電池交換可(CR2032) |
防水性 | IP67 |
電池寿命は約1年、電池交換可能で長く利用できる
AirTagの電池寿命は約一年です。電池は市販のボタン型電池(CR2032)であり、交換が可能。交換方法も簡単で電池交換の手間も少なく長く使用することが出来ます。
電池交換の方法
step
1Appleのマークがついたフタを押しながら反時計回りに回転させる
ステンレスのカバーを押し下げると、反時計回りに回すことが出来ます。カバーが回らなくなるまで回してください。
step
2カバーを外して電池(CR2032)を交換する
カバーが外して、電池(CR2032)をプラス面が上側に来るように入れかえてください。
step
3溝に合わせてカバーをかぶせて時計回りに回す
カバーの3 つの爪の位置を AirTag の 溝に合わせてかぶせてください。最後にカバー時計回りに止まるまで回して電池交換は完了です。
IP67の高い防水・防塵性能
AirTagの防水・防塵規格はIP67となっており、水深1mに30分浸しても影響がない程度の高い防水性能を備えています。
IP67、IP55とは
防水・防塵性能を表す際に使われるのがIPコードです。
IP67の場合は
防塵性能「6」・・・粉塵が内部に侵入することがない
防水性能「7」・・・水深1mに30分浸しても影響がない
ということを表しています。
雨の日にAirTagを取り付けている鍵を落としてしまうようなことがあっても安心です。
iPhoneとの接続距離
AirTagとiPhoneのBluetooth接続距離を実際にメジャーで計測したところ、およそ50mの範囲であればマップ上の表示と音を鳴らす機能を使用することが出来ました。
また超広帯域テクノロジーを利用している「正確な場所を見つける」機能は、有効範囲は10m程度と短いため注意。探しものの捜索範囲に合わせて、上手く機能を使い分けましょう。
Tile Mate(2022)とAirTag、MAMORIOの比較
次に人気のスマートタグであるMAMORIO、TileとAirTagの違いやそれぞれのメリット、デメリットを解説していきます。
以下の表にそれぞれの機能とスペックをまとめています。
AirTag | Tile Mate(2022) | MAMORIO | ||
機能 | ||||
音を鳴らす | ○ | ○ | × | |
スマホを鳴らす | × | 〇 | × | |
地図で探す | 最後に検知した場所の確認 | ○ | ○ | ○ |
他のユーザーによる位置情報の更新 | ◎ | ○ | ○ | |
見つけてくれた人にメッセージを伝える | ○ | ○ | × | |
置き忘れ通知 | ○ | △(プレミアム入会時) | ○ | |
共有機能 | ○ | ○ | ○ | |
その他の機能 |
|
|
|
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スペック | ||||
対応OS | IOS | IOS/Android | IOS/Android | |
サイズ(mm) | 直径31.9、厚さ8.0 | 縦38、横38、厚さ7.2 | 縦35.5、横19、厚さ3.5 | |
重さ | 11 g | 9 g | 3 g | |
最大接続距離 | 50m程度(実測) | 75m | 60m | |
音量 | ~90dB | ~90dB | - | |
防水性能 | IP67 | IP67 | × | |
電池 | 交換 | ○(CR2032) | ×(Tile Proは○) | ×(MAMORIO REは○) |
寿命 | 1年 | 3年 | 1年 |
Tileとの比較
Tile Mate(2022)とAirTagを比較したときのメリット、デメリットは以下の表のとおり。
AirTag | Tile Mate (2022) | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
AirTagが優れている点は何と言ってもその検知能力。
Apple製品のユーザーはTileユーザーよりも圧倒的に多く、位置情報の更新頻度もその分大幅に高いです。
その他にもTileに搭載されている機能はほぼ備わっており、Tileよりも多くのシーンでもちものの発見に利用できそうです。
AirTagはiPhoneなどのiOSユーザーしか使用は出来ないのが残念ですが、iPhoneユーザーならAirTagを選んで後悔はしないでしょう。
一方で、Tile の魅力は近くのものを探す能力。
スマホとの接続距離はTile Mate(2022)は最大で75m。Tile Pro(2022)の場合は最大120mとなっています。
実際に外で接続距離を計測したところAirTagは50m程度であり、広範囲で音を鳴らすことが出来ます。
またTileからスマホを鳴らして探すことも出来るのも嬉しい点。
一つのTileでスマホと鍵などの二つのもちものを見つけられるのが便利です。
自宅で鍵やスマホをよく見失ってしまう人にはTile Mateがおすすめです。
またTileにはPro、Slim、Stickerと形状とスペックが異なるモデルがあり、持ち物により適したモデルを選ぶことで出来るのでチェックしてみてください。
MAMORIOとの比較
AirTagとMAMORIOを比較したときのメリット、デメリットは以下の表のとおり。
Tile Mate (2022) | MAMORIO | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
Tileとの比較と同じく、機能面ではAirTagが優秀であり、iPhoneユーザーであればほとんどの人にはAirTagをおすすめ出来ます。
「探す」ネットワークの検知能力だけでなく、「音を鳴らす」「正確な場所を見つける」などの近くのものを探す機能もMAMORIOの一段上の性能と言えます。
一方で、MAMORIOの優れている点は持ち物への取り付けやすさとサービスの豊富さ。
MAMORIOのコンパクトさはスマートタグでは随一。
またカード型のMAMORIO CARD、シール型のMAMORIO FUDAなどの多様なモデルが登場しており、どんな持ち物でも取り付けには困りません。
その他には、
- MAMORIOの紛失時に補償金を受け取れる「あんしんプラン」
- MAMORIOを定期的に割引価格で交換することが出来る「OTAKIAGE」
などの独自のサービスの豊富さも強みです。
機能についても「置き忘れ通知」機能についてはAirTagにも引けを取らないので、財布などの置き忘れることを防げるスマートタグが欲しい場合はおすすめです。
AirTagの評判、良い口コミ、悪い口コミ
次に実際にAirTagを使用した人の評判(良い口コミ、悪い口コミ)について紹介します。
良い口コミ
まず良い口コミについてはまとめると以下のようでした。
AirTagの良い口コミ
- 電池交換が出来るため長期間使える。
- 「探す」ネットワークの検知の頻度が他のスマートタグと比べて圧倒的に多い
- 「正確な場所を見つける」機能が家の中のものを探すときに便利
- ケースが充実していて好きなデザインで使用できる。
- GPS端末の代わりに子供やペットに持たせられる
やはり他のスマートタグと比較して、「探す」ネットワークによる検知が出来ることのメリットに関する口コミが多いようです。
また、お守りとして子供やペットに持たせている人も。位置情報の精度はGPS端末ほど高くありませんが、もしものときに目安となる位置が知れるのは嬉しいところです。
悪い口コミ
反対に悪い口コミについてはまとめると以下のようでした。
Tile Mate(2022)の悪い口コミ
- 分厚い、ケースがないと取り付けにくい
- iPhone SEだと「正確な場所を見つける」機能が使えない
- 本体はGPSではないため位置情報が更新されないときがある、曖昧
- 音量が小さい、調整できない
- 家族との共有が出来ない
- 悪用防止の機能があるため盗難防止や浮気調査には微妙
分厚い、ケースが必要などの形状がもちものに合わないことへの不満が多め。
これが不安な場合はAnkerのEufy Security SmartTrackシリーズもチェックしてみてください。同じ「探す」ネットワークに対応していて、カード型タイプも登場していて財布などにも取り付けやすいです。
家族との共有が出来ないことについて、2023年秋に公開したiOS17ではAirTagを最大5人で共有できるようになりました。共有物の管理、紛失防止により便利になりそうです。
まとめ
本記事は「Airtagとは?仕組みや電池交換、 接続距離などを全て解説‼【Tile、MAMORIOとの比較もあり】」について書きました。
AirTagは「探す」ネットワークでの圧倒的な検知能力に加えて、「置き忘れ通知」や「正確な場所を見つける」機能などであらゆる場面でものの発見を助けてくれる非常に完成度の高いスマートタグです。
iPhoneユーザーには自信をもっておすすめ出来るスマートタグになっています。
本記事が参考になれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。