スマートタグ(紛失防止タグ)のパイオニアである「Tile」シリーズ。スマホと接続することで様々な機能が使えるようになり、なくしたものを探すサポートをしてくれます。
シリーズの中で財布やパスポートにぴったりのカード型モデルがTile Slimです。
財布などの大切なものをなくす不安をグッと軽減してくれるTile Slimですが、機能やスペック、他のスマートタグと比較したときのメリットなどがイマイチ理解できずに購入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では20種類以上のスマートタグを実際に購入、使用した筆者がそれらについてまとめて解説します。
Tile Slimについてしっかりと理解し、財布などの大切なもちものをなくす不安を和らげたい人はぜひ読んでみてください。
この記事でわかること
- Tile Slim(2022)で何ができるの?どんなときに役立つ?
- 最新のTile Slim(2022)とTile Slim(2020)の違いは?
- AnkerやMAMORIOなどの他社のスマートタグとどちらを買うべき?
Tile Slimとは?
Tile Slimはスマートタグと呼ばれる、ものの紛失を防止するためのアイテムです。
こんな時にもちものに取り付けたスマートタグが発見するためのサポートをしてくれます。
Tileは2013年に販売を開始したスマートタグのパイオニア的存在。現在では195の国と地域で支持されています。
Tileシリーズには形状、スペックが異なる様々なモデルがあり、シーンを選ばずに使用することが出来ることが強み。最新(2022)モデルは以下のようになっています。
モデル | Tile Mate(2022) | Tile Pro(2022) | Tile Slim(2022) | Tile Sticker(2022) |
形 | タグ型 | タグ型 | カード型 | シール型 |
特徴 | スタンダードな性能 | 音量、接続距離などに優れたモデル | 薄いカード型で収納しやすい | もちものに貼り付けて使用可能 |
取り付けやすいアイテム | 鍵、バッグ、ポーチなど | 鍵、リュック、スーツケースなど | 財布、パスポートなど | リモコン、工具など |
Tile Slimは薄いカード型モデル。
財布やパスポートなど、もちものの中でも特に大切なものに取り付けやすくなっています。
Tile Slim(2022)で出来ること
最新モデルであるTile Slim(2022)の機能は大きく分けて以下の3種類となっています。
Tile Slim(2022)でできること
- 近くのものを音を鳴らして探せる
- 最後に検知した場所を地図上で確認できる
- 誰かが落とし物を見つけたときに知らせてもらえる
これらのほかにサブスクリプションサービス(Tile Premium)に加入すればさらに機能を追加出来ます。
以下でそれぞれについて詳しくチェックしていきます。
近くのものを音を鳴らして探せる
音を鳴らす機能はTile SlimがスマホとBluetooth接続しているときに使用できる機能で、近くでなくしたものを見つけるのに役立ちます。
音量は最大90dB程度(防犯ブザーと同じくらい)で、同じ部屋の中であれば十分聞こえる大きさ。
音の大きさは2段階、流れるメロディは10種類から選択できるようになっています。
反対にTile Slimからスマホを鳴らすことも可能。
財布とスマホはセットで持ち歩くことが多いので、Tile Slim1枚でどちらも探せるのは嬉しいです。
最後に検知した場所をマップ上で確認できる
財布を外出中に落としてしまったときはTileアプリのマップを確認しましょう。
地図上にはスマホと落としたTile Slimが最後に接続していた場所と時間が表示されます。
この機能によって落とした場所がわかるようになります。その場所に戻ってTile Slimがスマホと接続したら、音を鳴らして見つけることが可能です。
最後に接続した場所にTile Slimがなくても、「見つかったら通知」機能をオンにしておけば、以下の場合に位置情報が更新されます。
- 他のTileユーザーが落としたTileの近くを通ったとき
- 「Tileアクセスポイント」と落としたTileが接続されたとき
Tileアクセスポイントとは
「Tileアクセスポイント」では常時Tileを検索しています。アクセスポイント付近にTileが近づくとBluetoothで自動接続し、クラウド経由で位置情報が持ち主のTileアプリに通知されます。
現在はタクシーや東急線の駅にアクセスポイントが設置されており、今後も様々な場所への設置が期待されます。
ユーザーが多く、Tileアクセスポイントも豊富な都市部であれば、位置情報の更新される頻度は高め。
一方で人が少ない地域では更新されにくいため、この機能に期待する場合はAirTagや本体にGPS内蔵の端末(TileなどのスマートタグはスマホのGPS機能を利用)がおすすめです。
誰かが落とし物を見つけたときに知らせてもらえる
Tile Slim(2022)には「ロスト&ファウンド」機能用のQRコードが記載されています。
これをスマホで読み取ると、あらかじめ登録しておいた連絡先を表示することが出来ます。
スマホがあればTileユーザーでなくても連絡先を読み取れるため、より多くの人が、連絡先を確認してTileの場所を知らせてくれるようになります。
Tile Premium への加入で機能の強化も可能
Tileには有料のサブスクリプションサービス(Tile Premium)があり、加入後にさらに機能を追加することが出来ます。
- スマートアラート ・・・ Tileを置き忘れたときに、スマホに通知される。
- 共有無制限 ・・・ 1つのTileを複数人(人数制限なし)で使える。
- ロケーション履歴 ・・・ 過去30日間のTileが検知された場所を確認できる。
- 延長保証 ・・・ Tile Premiumに加入中である限り保証される。
スマートアラート機能は外出先のものの置き忘れを防ぐことが出来る重要な機能。財布の置き忘れは発生しやすいトラブルなので、加入したいサービスです。
またTileの使用台数に関わらず、価格は3600円/年。
鍵、財布などいろいろなものにTileを取り付けている人ほどお得になります。
延長保証によって不慮の故障時なども買い替える必要がなくなるため、Tileを100%使いこなしたい人にはおすすめです。
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参考【Tileは無料で使うか有料で使うか】Tileのサブスクリプションサービス「Tile Premium」について解説
スマートタグ(紛失防止タグ)のパイオニアとして高い人気を誇っているTile。 音を鳴らす機能などの機能でもちものを見つけるサポートをしてくれます。 購入したTileはもちろん無料でも使え ...
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Tile Slim(2022)の外観
次にTile Slimの最新2022モデルの外観を詳しく紹介していきます。
外観のデータ一覧 | |
縦 | 54 mm |
横 | 86 mm |
厚さ | 2.5 mm |
重さ | 15 g |
サイズはクレジットカード3枚分
サイズは縦×横×厚さが54 mmx 86 mm x 2.5 mm。
クレジットカードと比較すると縦横は同サイズとなっています。
厚さと重さはクレジットカードの約3倍となっています。
つまり、サイズはクレジットカードの3枚重ねとほぼ一緒。財布のカード収納スペースには問題なく入れられます。
薄型の財布やパスケースに入れる場合は厚みが気になるかもしれないので、心配であればクレジットカードを3枚入れて確認してみましょう。
機能性を備えたシンプルなデザイン
デザインは無地のオモテ面にTileマーク、ウラ面にQRコードが描かれただけのシンプルなものとなっています。
オモテ面のTileマークは操作用のボタンになっていて、クリックすることでアラーム時の操作が出来ます。
Tileマークのクリックで出来ること
- 1クリック・・・アラームを解除
- 2クリック・・・スマホを音を鳴らして呼び出し
ウラ面のQRコードは2022年モデルからの新機能「ロスト&ファウンド機能」用。
スマホで読み取ることで持ち主の連絡先を表示することが出来ます。
カラーは鮮やかな2色が新登場
カラーは基本のブラックのほか、「サンド」、「セージ」、「バーントオレンジ」と「メルロー」が追加されました。
自分の持ち物や気分に合わせられるのがうれしいところです。
Tile Slim(2022)のスペックとTile Slim(2020)との比較
接続距離や防水性などのスペックは以下の通りです。一世代前のモデルであるTile Slim(2020)と比較して改良した点についても解説していきます。
仕様一覧 | ||
モデル | Tile Slim(2022) | Tile Slim(2020) |
サイズ | 縦54 mm×横86 mm x厚さ 2.5 mm | 縦54 mm×横86 mm x厚さ 2.4 mm |
最大接続距離 | 75 m | 60m |
防水性 | 防水(IP67) | 防水(IPX7) |
電池寿命 | 3年(交換不可) | 3年(交換不可) |
音量 | ~90dB | ~90dB |
ロスト&ファウンド機能 | 有 | 無 |
スマホとの接続距離
Tile Slim(2022)のBluetoothの最大接続距離は75mとなっています。
Tile Slim(2020)の60mから15m延長されています。
接続距離は長いほど音を鳴らして探せる範囲が広がるため、嬉しいスペックアップと言えます。
雨に濡れても安心の防水性能
防水・防塵規格はTile Slim(2022)がIP67、Tile Slim(2020)がIPX7となっています。
防水規格IP67
防水性能を表す際に使われるのがIPコードです。
IP67の場合は
- 防塵性能「6」・・・粉塵が内部に侵入することがない
- 防水性能「7」・・・水深1mに30分浸しても影響がない
IPX7の場合は
- 防塵性能なし
- 防水性能「7」・・・水深1mに30分浸しても影響がない
ということを表しています。
どちらも少しの水没であれば耐えることが出来、雨の中でも安心して使用できる性能となっています。
電池交換は不可も、3年間の長寿命
どちらも電池寿命は約3年間であり、電池交換は出来ない仕様となっています。
他のメーカーのスマートタグには電池交換・充電可能なタイプがありますが、それと比較すると、
メリットは
- 3年の長寿命(電池交換式は1年、充電式は半年程度)
- 電池交換の手間がない
デメリットは
- 電池寿命が尽きたら本体ごと買い替える必要がある
と言えます。
3年以上の長期での使用を考えると電池交換タイプがお得ですが、
電池切れの状態で忘れ物をするリスクを抑えられるため、より安心・安定して使える仕様と言えます。
ロスト&ファウンド機能が追加
Tile Slim(2022)の裏面にはQRコードが記載され「ロスト&ファウンド」機能が使用できるようになっています。
Tile Slim(2020)よりもTileを落とした際の発見率が上がるため、明確に改良された点と言えます。
機能重視なら2022モデル、予算とデザイン次第で2020モデルもあり
ロスト&ファウンド機能が追加、接続距離が拡大された2022モデルは機能面では2020モデルの完全上位互換と言えます。
スマートタグとしての性能を重視する人は2022モデルを選びましょう。
一方で2020モデルは限定デザインが豊富であること、価格が安いことが魅力です。
機能的には2020モデルは接続距離が2022モデルより少し短いですが、部屋の中などの狭い範囲で音を鳴らしたい場合は遜色ない働きをしてくれます。
また「ロスト&ファウンド」以外の機能は2022モデルと同じものが備わっており、財布に入れるスマートタグとしては十分な働きをしてくれます。
使い方やデザインなどを考えてベストな選択が出来ればよいですが、どちらを選んでも後悔はしないと思います。
他のカード型スマートタグとの違い
Tile Slimと同じカード型スマートタグで代表的なものは「Anker Eufy Security SmartTrack Card」と「MAMORIO CARD」。それぞれ優れた機能・仕様があるので、使いたい場面に合うものを選ぶことが大切。ここではそれぞれとの違いについて解説します。
Tile Slim(2022)とAnker eufy Security SmartTrack Card、MAMORIO CARDの比較表 | ||||
Tile Slim(2022) | Anker eufy Security SmartTrack Card | MAMORIO CARD | ||
機能一覧 | ||||
音を鳴らす | ○ | ○ | × | |
スマホを鳴らす | 〇 | 〇 | × | |
マップで確認 | 最後に検知した場所の確 | ○ | ○ | ○ |
他のユーザーによる位置情報の更新 | ○ | ◎(iOSのみ) | ○ | |
見つけてくれた人にメッセージを伝える | ○ | ○ | × | |
置き忘れ通知 | △(プレミアム入会時) | ○ | ○ | |
共有機能 | ○ | ○ | ○ | |
その他の機能 |
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スペック一覧 | ||||
対応OS | IOS/Android | IOS/Android | IOS/Android | |
サイズ(mm) | 縦54、横85、厚さ2.5 | 縦54、横86、厚さ2.4 | 縦54、横85.5、厚さ1.7 | |
重さ | 15 g | 12 g | 12 g | |
最大接続距離 | 75m | 80m程度 | 30m | |
音量 | ~90dB | ~90dB | - | |
防水性能 | IP67 | IPX4 | × | |
電池 | 交換 | × | × | 〇(充電式) |
寿命 | 3年 | 3年 | 6か月 |
Anker Eufy Security SmartTrack Cardとの比較
Tile Slim(2022)とAnker Eufy Security SmartTrack Card を比較したときのメリット、デメリットは以下のようです。
Tile Slim (2022) | Anker Eufy Security SmartTrack Card | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
Anker Eufy Security SmartTrack CardはiPhoneに接続して使用している場合、AirTagと同様にAppleの「探す」ネットワークに参加することが出来ます。
誰かのiPhoneが紛失したタグの近くを通ると位置情報が更新されるため、検知される可能性は非常に高いです。
そのほかの機能もTile Slimと遜色なく(特に置き忘れ通知は無料で使える)ため、
iPhoneユーザーはAnker Eufy Security SmartTrack Cardを選ぶのがよいと言えます。
Tile Slim(2022)はAndroidユーザー、その中でも特に有料のサブスクリプションサービス(Tile premium)に加入を考えている場合におすすめ。
Tile Premiumに加入した際にAndroidで使用する場合は、Anker Eufy Security SmartTrack Cardに搭載されているものと同様の機能を利用できます。
さらに防水性能やTileネットワークで検知できる点ではより優れているため、上位互換と言える働きをしてくれます。
Tile Premiumに加入せずに無料で使う場合も、置き忘れ通知を使えないことを気にしなければ、Tile Slimがおすすめです。
MAMORIO CARDとの比較
続いてTile Slim(2022)とMAMORIO CARDを比較した主なメリット、デメリットは以下のとおり。
Tile Slim (2022) | MAMORIO CARD | |
メリット |
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デメリット |
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最大の違いはTile Slimには置き忘れ通知の機能がない(プレミアム加入時はあり)こと、MAMORIO CARDは音を鳴らすことが出来ないことと言えます。
そのためTile Slimは音を鳴らして近くの財布を見つけたい人におすすめ。
Tileからスマホを鳴らすこともできるため、スマホをよく見失ってしまう人にもおすすめです。
その他にはTileのメリットには防水仕様、電池寿命が長いことなどが挙げられます。
一方で、MAMORIO CARDは置き忘れによる財布の紛失を防ぎたい人におすすめ。
また「あんしんプラン」に加入することで、もちものが発見できなかった場合は発見支援や補償金などのサポートをしてくるのも心強いです。
その他には薄さ(Tileよりクレジットカード約1枚分薄い)と充電可能で繰り返し使えることもメリット。
このようにTileとMAMORIOは同じスマートタグでも利用シーンが異なってきやすいので、防ぎたい紛失のシーンを考えて選ぶのがよいでしょう。
Tile Slim(2022)の評判(良い口コミ・悪い口コミ)
次に実際に使用した人の口コミを紹介していきます。
良い口コミ、感想
Tile Slim(2022)の良い口コミ
- 近くにある場合は音で、ない場合もマップで接続が切れた場所が分かったのですぐに見つけられた。
- 家で財布が見つからないストレスがなくなり、財布の置き場所を気にしなくてよくなった。
- スマホに接続したあとは財布に入れておくだけで安心できる。
- スマホが見つからない時にもTileから音を鳴らして探せるのが便利。
いつでも位置がわかる、入れておくだけで財布をなくす不安が和らぐなど、満足度の高い口コミが多く見られました。
誰でも財布をなくしたときの焦りや不安はなるべく減らしたいもの。どんなときでも(おおよそ)財布の位置の確認が出来る安心感が得られるだけでも価値があります。
また機能面ではTile Slimだけでなく、スマホも音を鳴らして探せる機能も搭載していることが好評です。
悪い口コミ、感想
Tile Slim(2022)の悪い口コミ
- 自動車の盗難防止用に使っているが、なかなか位置情報が更新されない。
- 置き忘れ通知がサブスクリプションに入らないと使えない。
- 購入して、開封した直後から動作しなかった。
- MAMORIO CARDなど他のメーカーの物より少し厚いのが残念。
自転車などの盗難防止用に取り付けているが、位置情報が更新されないという口コミが見られました。
Tileネットワークによる検知はユーザー数に依存するため、都市部以外ではあまり期待できないというのが正直なところ。位置情報の取得を重視する場合は本体にGPS機能が搭載されている端末や、スマートタグだとiPhoneで検知できるAirTagやAnker eufy SmartTrack シリーズがおすすめです。
置き忘れ通知は有料のサブスクリプションサービス(Tile premium)加入者限定なので注意が必要です。
厚さはクレジットカード3枚分程度です。事前に取り付けたい財布やパスケースを確認してから購入するようにしましょう。
初期不良などのトラブルがあった場合、1年以内であれば製品保証が使えます。(Tile premiumに加入している場合は3年)。サポート窓口から問い合わせてみましょう。
Tile Slim(2022)レビューまとめ
本記事は「Tile Slim(2022)レビュー!音で財布を探すカード型スマートタグ【2020、Anker、MAMORIOと比較】」について書きました。
Tile Slim(2022)は薄いカード型のスマートタグで、財布をなくしやすい人におすすめです。
音を鳴らして財布とスマホを探したち、Tileネットワークでの検知なども出来ます。
機能を使わなくても、財布に入れておくだけで安心感が得られるアイテムです。
本記事が参考になれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。